『会社の寿命―盛者必衰の理』(日経ビジネス編)

『会社の寿命―盛者必衰の理』(日経ビジネス編、新潮文庫)

『会社の寿命―盛者必衰の理』(日経ビジネス編、新潮文庫)

仕事で多くの会社を訪問させてもらったが、立派な調度が置かれ社長が愛想よく商談に応じてくれたにもかかわらず、わずかな期間ののちに倒産するのを目の当たりにして、「なぜ」と思ったことが何度もあった。どうしたら、そんな“危険”な会社を見分けられるか、と思って読んだ本。

「日経ビジネス」誌の特集を再編集、1984年に初版が出された。戦後三十余年。産業界が、「重厚長大」から「軽薄短小」に大きく変わろうとしていたころ。
過去100年の“名門企業”の栄枯盛衰を分析。『衰亡を招く「第2」の法則』『強さの研究』と続編、続々編も発刊された。写真は1989年初版の文庫版だ。

話題を呼んだのは、「会社の寿命30年」説。明治中期、富国強兵の主役として登場した会社の多くが、昭和大恐慌で消え去った。敗戦の後、後進工業国として出発した日本が高度成長を成し遂げたのは、起業家たちの驚異の創業者精神によってだ。
特集掲載時は、その30年後。創業社長は引退の時期。主力商品も時代に合わなくなり、環境は大きく変化していた。新分野に進出しようにも、安定にあぐらをかいた社員の士気は上がらず、新しい発想はなかなか生まれない。

本では生き残りの条件として、「挑戦の気概」「血のにじむような努力」「創業者精神の維持」などを挙げる。「立派な社屋を建てたら危ない」「平均年齢30歳、本業比率7割を超えると…」という指摘も印象的。要は、創業の厳しさを忘れず、いかに柔軟に変わっていけるか、ということなのだろう。

今世紀に入ってからも、伝統を誇った企業がつぎつぎと姿を消している。もしかしたら、国家や地域にも同じように“寿命”があるのかもしれない。書店に平積みのトンデモ本、空き家だらけの古里…。物ごとに「初め」があれば、「終わり」があることを、あらためて感じる。
 
 
 
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